《短編小説》タバリーシチ・ダスビダーニャの証言

〜〜塩下公一より愛を込めて〜〜

原作:K松@びおら、T本@ばよりん 編集、脚色:変酋長@ばよりん@ばよりん 編集、脚色:変酋長@ばよりん


 <K松@びおらさんの証言> 

K松@ビオラ弾きです。昨日、新宿響の本番に乗ってきました。終演後、当日のアンケートを居酒屋さんで回し読みしてたら、新宿響のコンサートを「霊感」で知った「モスクワの何とか墓地」在住の「塩下公一さん(93)」が来場されていました。(アンケートの下にある、お名前・ご住所等の欄にそう書かれていた!)僕はアンケートを見た瞬間、大笑いと感動で涙が出ました。セコバイのハヤーシ君に見せたら、同様の反応をしました。我々2人は周りから変な目で見られてしまいました。

 数日後、この話題で持ち切りとなったダスビの練習が終わった後、この話を聞いて興味を持った「交霊術」を特技とするT本@ばいおりんさんが某所にて交霊を試みた所、な、なんとショスタコ様の霊が降りてきたのであります。以下がその時の交霊の記録です。

「だすびの諸君、塩下公一(ショスタコーヴィチ)ぢゃ。マブダチのハチャトリアンの曲をやるっていうから下界まで聴きに来てみれば、ステージにだすびのK松クンにHやーしクンがおるでわないか。びよらパート、なかなかよかったぞい。わしも死んでからかれこれ20年、この間病気ひとつせずに元気にやっておる。なんせ一回死ぬと もう2度と死なんからな。弦楽四重奏も念願通り24番まで書き上げ、今は交響曲30番に取りかかっておるところぢゃ。天国にはスターリンもおらんのでわしは交響曲6番の3楽章みたいな明るい曲ばっかり書いておるぞ。今度の芸劇の本番には1番目の妻といっしょに天井で聴くからしっかり弾いてくれい。」(自動筆記:T本@恐山のイタコモード)

 これにすっかり感動してしまった、Hやーし@せこばいさんが、交霊術の最中、突然何かに取りつかれたように、喋りだしたのであります。

 塩下公一様!だすびでせこばいを弾いているHやーしと申しますっ。演奏会に来ていただけたとは!これは大変光栄でご、ございます・・・知人に誘われてエキストラとしてびよらで出演しましたが、だすびのT中さんも団員でいらっしゃって楽しかったです。同志K松とともにプルトを組んで演奏し、若干軽めに火柱を上げておきましたが、お楽しみいただけていたら幸いです。

 打ち上げであなたのアンケートの名前を見つけたときは、感激のあまりこの1年ほどこんなに笑った記憶はないというほど笑いました。あんまり涙が出るほど笑ったので、手術したばかりの腹の傷が開いてしまうかと思いました。(注:虫垂炎の手術直後だった)
 次回のダスビでは、もちろんあなたの曲は全力で弾かせていただきます。ぜひ新作の交響曲「本物の死者の歌」も作っていただきたいと思いますッ・・・

 ふと我に返る林。同席した小◇原@れみどし変酋長は、この光景に感動し、ぜひ塩下公一様のお告げを機関誌「れみどし」に掲載し、団員へのメッセージとしたいと告げる。

 しばし生暖かい空気がよどみ、どこからともなく「死者の歌」が低く流れる暗い部屋の中、T本@ばよりんさんは、イタコモードとして再び霊界との交信を試みました。

「塩下公一ぢゃ。ワシの発言を編集して機関紙に載せたいぢゃと? 存分にやってくれい。生きておる頃からワシの発言は書き変えられて党機関紙に掲載されておったから、少々の編集くらいぢゃ驚かんぞ。ワシの真意はワシの音楽を愛する人にだけ伝わるのぢゃ。」

とのお告げがあったそうな・・・

注:この証言はフィクションであり、実在の人物とは全く関係ありません


もとい