《バビ・ヤール》合唱団募集
下記募集は、終了しております。
男声合唱団員大募集
コール・ダスビダーニャ
〜わたしたちと一緒に「バビ・ヤール」に参加しませんか〜
私たちオーケストラ・ダスビダーニャは 第21回定期演奏会にて、 交響曲第13番「バビ・ヤール」を 演奏することとなりました。 そこで、私たちと一緒に演奏に参加してくださる 合唱の方を募集します。 ←こちらをクリックすると、チラシをダウンロード 頂けます。 プリントアウトしてお使いください。 (PDF:約400KB) |
募集パート・人数 | :男声 60名 |
本 番 | :オーケストラ・ダスビダーニャ 第21回定期演奏会 2014年2月11日(火・祝日)昼公演 すみだトリフォニーホール 大ホール |
指 揮 | :長田 雅人 |
バ ス 独 唱 | :岸本 力 |
曲 目 | :ショスタコーヴィチ作曲 交響曲第13番「バビ・ヤール」 |
合 唱 指 導 | :渡部 智也 |
練 習 日 | :8月ごろより、土曜を中心に開始予定 |
参 加 費 | :10,000円程度(これよりも若干高くなる可能性もあります) |
そ の 他 | :ロシア語歌唱(ロシア語指導あり) |
【お申込み・お問合わせ】
オーケストラ・ダスビダーニャ事務局
電話:090−4609−7752
オーケストラ・ダスビダーニャ バビ・ヤール準備委員会
メール:chor_babi@dasubi.org
※詳細につきましては決まり次第、当ページにてお知らせしていく予定です
団長挨拶〜ヒトラーを経験してしまった後の人類のための“第九” 〜
「大震災で大きな被害を受けた日本の方々に、手を差し伸べましょう。今こそ神の慈しみの教えを実践しましょう。そして、身を賭して『命のビザ』を発給し、リトアニアから6,000 人もの同胞を救ってくれたスギハラ夫妻の恩義に報いましょう。」これは、アメリカの某ユダヤ人団体が東日本大震災への義援金を募る際に発した公式声明です。この団体のみならず、世界各国のユダヤ人組織が「スギハラ」への恩返しをアピールしています。
杉原千畝(ちうね)--日本の外交官。第二次世界大戦時に夫人と共に駐在したリトアニアで、多くのユダヤ人を初めとする難民の惨状に深く同情し、「タダ人道上ノ理由ニヨリ」国命に背いて大量のビザを発給。「命のビザ」を手にしたユダヤ人たちは、日本を経由してアメリカなどの第三国に逃げることができた。
その後杉原は、訓名違反を理由に外務省を追われ、60 年も経った2000 年にようやく政府による公式な名誉回復がなされた。--
杉原がリトアニアを去ったちょうど1 年後の1941 年9 月、現ウクライナのキエフ市郊外にある谷、バビ・ヤールで、ドイツ占領軍が35,000 人ものユダヤ人や政治犯を処刑し、ソヴィエト政府はそれを黙認、隠蔽しました。
ショスタコーヴィチの交響曲第13 番『バビ・ヤール』には、杉原千畝のような人が歌われています。杉原その人は登場しませんが、権力者から不利な扱いを受けても最後まで信念を貫いた偉人たちを、「真の出世」を遂げた人として讃えています。
ショスタコーヴィチ自身も、スターリン独裁下のソヴィエトで、命の危険と隣り合わせで芸術家の良心を貫いた人ですが、この『バビ・ヤール』を発表する際にも、政府からのかなり厳しい干渉がありました。
干渉の理由は、『バビ・ヤール』にはソ連領内で行なわれたユダヤ人虐殺が暴露されているからです。
第1楽章『バビ・ヤール』
♪ バビ・ヤールに記念碑は無い。切り立つ崖が粗末な墓標。
♪ 私はアンネ・フランクだ。ここで銃殺された年寄りたち。ここで銃殺された子供たち。その一人一人が私だ。私はバビ・ヤールを決して忘れない。
♪ 私はユダヤ人ではないが、民族迫害を憎む。真のロシア人として。
強大な権力に反抗し、真実を語るには、正面から竹槍で向かっていっても勝ち目はありません。ではどうするか。将軍様をトンチでやり込める一休さんのごとく、「ユーモア」で頭脳戦に持ち込みましょう。
第2楽章『ユーモア』
♪ 世の権力者たちは、軍隊を動かして何でも支配できたが、ただ“ユーモア”だけは思いどおりにできなかった。
♪ “ユーモア”を買収しようとしても相手にされない。処刑しようとしても鬼ごっこ。
♪ “ユーモア”、それは勇気のある人間だ。
あるいは、ロシアの女性のように辛抱強く耐えることも大切。
第3楽章『商店にて』 ♪ 商店で、女たちが行列を作って、じっと待っている。家族の食べ物を買うために。汗水流して稼いだお金を握り締めて。
♪ 彼女たちは全てに耐えてきた。そして、全てに耐えてゆく。
でも、ユーモアの心や忍耐力で抵抗するにしても、まず、自分自身の「恐怖」に打ち勝たなければならない。
第4 楽章『恐怖』
♪ その昔、“恐怖”は人々の心の中に忍び込み、人々を操った。黙るべき時にはやし立て、声を上げるべき時に沈黙するように。
♪ そんな“恐怖”が支配する時代は過ぎ去った。でも、二度と真実を語る勇気を持てないことが、新たな“恐怖”となっている。
そこで、そんな恐怖を克服し、信念を貫いた古今の偉人たちの生き様、「真の出世」を見てみましょう。
第5 楽章『出世』
♪ 教会は、ガリレオを危険人物とした。ガリレオの同僚たちも、本当は地球のほうが回ってるんだと知っていたけど、出世のために教会側についた。
♪ でも、後世に名を残したのはガリレオだった。これこそが真の“出世”だ。シェイクスピア、パスツール、ニュートンにレフ・トルストイ…。彼らこそが“出世”を遂げたんだ。
♪ 成層圏の果てに向かった飛行士たち、コレラと闘った医者たち…。彼らの“出世”は私の勇気。私は、出世しないことを“出世”とするんだ。
以上、ショスタコーヴィチの『バビ・ヤール』の簡単な紹介でした。
作曲者が編成した“声” は、バス独唱と男声合唱ーー正確にはバス斉唱(ハモりがありません)ーーです。ベートーヴェンの第九の“声” から、ソプラノの華やかさ、アルトの優しさ、テノールの明るさを排除し、バスの重さを全面に押し出したサウンドとなっています。
今回はテノールやバリトン域の方も募集させていただき、表現幅の広いバス斉唱のサウンド作りを目指したいと思います。ロシア語の発音指導も行ないますので、不慣れな方もぜひお問い合わせください。
長田雅人=岸本力=ダスビダーニャの『バビ・ヤール』は、16年振り2 回目の取組となります。
日本におけるロシア歌曲の第一任者、岸本力先生は、ロシア音楽への貢献を高く評価され、昨年2 月にロシアのメドベージェフ大統領から文化勲章「プーシキン・メダル」を受勲しました。
合唱指導は、そんな岸本先生の弟子、渡部智也先生が担当します。
ぜひ、コール・ダスビダーニャに加わっていただき、また新たな『バビ・ヤール』を一緒に作っていきましょう!
オーケストラ・ダスビダーニャ 団長 白川悟志